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わすれな草、浮かれて

ショート2「カラフール」

虹の色は、七色。

「誰が決めたのかしら?そんなの。。。
見る人によって、違うんじゃないの?」

「そりゃ、お前さんは、
そんだけの目玉をお持ちだ。
さぞ、カラフルに見えるだろうな?」

トンボの問いに、律儀に答えているのは、
その丘に、長い間、君臨している、
今は、濃い影を落としている大木だった。

「ふん、随分と皮肉屋を営業されてるのね。
きっと、長く生きてるせいかしら。。。」

「あっ!」

下草を撫でるように、風が吹いてきた。
トンボは、自分の身体を支えきれずに、
風の音符となって、飛ばされていった。

「口が減らされて丁度いいな。あははは。。。」

風に翻弄されながら、白い羊の雲の中に、
光った羽が舞うのを、しばらく眺めていた。

「なあ、お前には何色に見えている?」

長い年月をかけて、やっと出てきたと思ったら、
こんな下らない質問を、初対面で出くわすとは。。。
心の中の温度は、徐々に上昇していった。

「俺の一週間は、貴重だ!
話している暇など無いわ!!!」

そう言い放つと、スルスルと大木に登り、
まるで嫌がらせのように、そのセミは、
羽を震わせ、鳴き続けていた。
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