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わすれな草、浮かれて

ショート4「夜のとばっちり」

夜のトバリは、日常を隔絶して、
だからこそ、これでいいのだと、
思わせてくれる。

夜に棲む、魔女はいつも、
そう正当化させることで、
自分を納得させていたのである。

「私には、ホウキなど要らぬわ!
そもそも誰かが描いた最初のイメージに、
引きずられ、いたずらに、伝承されたに過ぎないのに。。。」

程なく、
星空は、その声を氷にしてしまった。

白い煙のような息。
青白い、月のような掌。

「僕は違うよ。最初のイメージって大切じゃない?
初対面の印象で、その後の付き合いも違ってくる。
君は、無駄に孤高で、僕は、みんなのアイドルなのさ!」

その格好は、月光を背負って、バラ一輪を携え、
悦に入ってるマント姿ではあったが、
その輪郭は、小刻みに震えていた。

今度は、
星空は、その男を雲にしてしまった。

「何処ででも、お前は暮らしていけるだろう」

その雲は、ぎこちない姿で、しばらく、
所在なげに、うろうろしていたが、
上ってきた太陽が視界に入ると、気絶してしまった。

微風は、何処吹く風とばかりに、
その雲を軽く持ち上げると、他の雲たちも引き連れて、
朝の光を燦燦と浴びながら、雲海となって流れていった。

日差しは、森の中にも、陽だまりを作っていた。
うつろな目をした、魔女の声が溶け出していた。

「はぁー。。。とうとう明けてしまったのか。。。」

そう言って、森の奥へと分け入ってしまった。

今日は、雲ひとつ無い、晴天である。
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Comment

みんな、「ほんとうの自分」を分かってもらいたいとどこかで叫んでいるのでしょうね。
2012.01.18 04:44 | URL | コツメ #Scvb2jZI [edit]
<To コツメさん>
「ほんとうの自分」

アリのママは、この上なく天邪鬼でして、
恥ずかしがり屋の屋号まで、手中に収めているものだから、
かなり厄介にございますな。うほほほ。。。

カランと、月をオン・ザ・ロックで、乾杯♪
2012.01.29 08:54 | URL | 夕野 海月 #GxAO5jdM [edit]

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